JAB Holding Company

英国、ロンドン


ロンドンの上空に浮かぶオフィス

ルクセンブルクに本社を置く投資会社JABホールディングのオフィスは、ロンドンのパディントン駅の上に立つビルの13階にあります。その様子は、まるでロンドンの摩天楼の上空で宙吊りになったかのよう。ロンドンを拠点とする建築会社UberRaum Architectsがデザインしたこのオフィスは、大都会の真ん中の緑のオアシスのような静謐さを感じさせます。

新しいデザインのねらいは、人々がそこでの時間を楽しみ、心地よさを感じられるワークスペースを実現することでした。高い天井と自然光がフレームのないガラス窓とひとつになることで「内」と「外」の境界線が曖昧になります。間仕切りのないオープンなレイアウトによって空間全体がヒエラルキーから解放され、ロンドンの摩天楼が一望できるようになっています。

大きなプランターや植物に彩られた壁がいきいきとした雰囲気と鮮やかな色を運び込む一方、そこここに取り入れられた自然素材やアーシーな色調がニュートラルなベースを形成しています。オーダーメイドの建具がオフィス全体の特徴を見事に融合させ、統一感あるデザインを生み出しています。この空間のために、フリッツ・ハンセンのいくつかのプロダクトが厳選されました。そのなかでも、ワークスペース用のデスクとして選ばれたのがプルラリステーブルです。オークを使ったこのデスクは木材で仕上げられたキッチンのタイルとも相性が良く、視覚的なつながりを表現することで調和に満ちた空間づくりに貢献しています。

オフィスの中心のコラボレーションゾーンには、クラシックで機能的なオックスフォードとリトルジラフが選ばれました。2種類のチェアが温かみのある雰囲気を演出しています。1965年にアルネ・ヤコブセンがデザインしたオックスフォードの特徴は、高さのある背もたれと、座る人に空間とプライバシーの感覚を感じてもらうためにデザインされたなめらかで曲線的なフォルムにあります。この革新的なデザインは、今日ではヤコブセンの傑作のひとつとされています。

これ以外の場所には、ルネソファとフリチェア、スーパー楕円テーブル、ジョインテーブルが配されています。照明はデスクランプAQ01とカイザー・イデルのペンダントランプです。