ポール・マッコブ

1917-1969年

デザインとともに人間性に現れる現実主義と完璧主義

ポール・マッコブは、デザイナーになる夢を追ってボストンからニューヨークに移り住みました。デザインは完全に独学でしたが、遠近法を深く理解していたことが、当時の最も重要なデザイナーの1人となる道を開きました。遠近法とスケールが特にマッコブのトレードマークであり、テーブルや棚、そしてランプまでもが、作品が置かれる空間に細心の注意を払ってデザインされました。細い線、シンプルなフォルム、そして独特の軽やかさがポール・マッコブの作品の特徴です。作品には、現実主義者そして完璧主義者だったマッコブの個性がはっきりと映し込まれています。

プランナーコーヒーテーブルの復刻に際しては、「オリジナリティ」が重要なキーワードとなっています。マッコブの飾りのないデザインのレシピにおいては、機能性と美しさを両立させるために必要不可欠なものだけが求められており、フリッツ・ハンセンは復刻にあたりこのレシピを重視しています。スチールベースの脚先が窄まった形状などのディテールから、まさにマッコブのデザインであることがわかります。